辻標

奥州街道まち歩き

仙台辻標　南鍛冶町・穀町・南材木町・舟丁・河原町

南鍛冶町(みなみかじまち)

　奥州街道沿いの荒町と穀町との間の町。米沢以来の鍛冶職人衆の町であるのが名の由来。
　仙台開府当初、鍛冶屋敷衆は元鍛冶町に配置されたが、１６２８～３４年(寛永５～１１年)同地が侍屋敷とされたため、南と北の鍛治町に移った。
　町の守護神三宝神社は１６１５～２４年(元和年間)の創建といい、早くから鍛冶職人が住んでいたことも考えられる。
　文参照：平成６年３月　仙台市教育委員会「辻標」

三百人町(さんびゃくにんまち)

　南鍛冶町から保春院前丁に通ずる道に面した町。
住民は伊達氏が米沢に移住したとき伊達郡に残った旧家臣で、１６００年(慶長５年)上杉領であった白石城攻めのとき、茂庭綱元の説得により参戦した鉄砲足軽組三百人。
　戦後十六石取りの鉄砲足軽となり再び伊達氏に仕えた。
　１６３０年(寛永７年)からこの地に居住した。
　文参照：平成６年３月　仙台市教育委員会「辻標」

穀町(こくちょう)

　藩政初期から奥州街道荒町南鍛冶町に続き南端は城下町特有の釣型で南材木町に連なった。
　高橋屋儀右衛門が権利を与えられて穀物問屋を開いたので穀町の名が生まれたという。
　明治末にメソジスト教会ができたが今は保育所となった。
　伝統の七夕の町で知られている。
　文参照：平成６年３月　仙台市教育委員会「辻標」

畳屋町(たたみやまち)

　穀町の東裏六十人町の西端約二丁の所に藩の畳御職人が多く住んだ一画があったのでこの名が生じた。
　１９１６年(大正５年)カトリック教会が創建され穀町のメソジスト教会と共に仙台南部の教化に尽くした。
　戦後はその付属幼稚園が設けられている。
　文参照：平成６年３月　仙台市教育委員会「辻標」

南石切町(みなみいしきりまち)

・説明：寛永初期に城下を南方へ拡張する際、石材需要に対応するため石垣衆をここに配置した。
　彼らは石工の本場近江領から選抜されてきた人々で、特に細工物に長じ、伊達家ゆかりの墓所や社寺に灯籠、鳥居など数々の作品を残している。
　なお、町の南端は明治十八年に南材木小学校敷地となった。

南染師町(みなみそめしまち)

　伊達氏に従って仙台に移り越路に住んでいた染め師職人が、寛永十三年(１６３６)の政宗公墓所造営にあたりここへ移された。
　城下町方二十四町の一つで、伊達御供を誇る六軒を中心として七郷堀を利用しながら需要の多い木綿染めを独占的に扱って栄えた。
　京都から分霊された愛染明王は染師たちから厚く信仰されいきた。

南材木町(みなみざいもくまち)

　寛永初期に城下を南方へ拡張する際に用材供給のため割り出され、当初は若林材木町と称した。
　城下町方二十四丁のひとつで、材木の他たばこの専売権も与えられ、江戸道中南口、後の国道沿いの商人町として栄えた。
　戦災を免れたため今も土蔵建築や町内神などが残り、昔日の面影を伝えている。
　文参照：平成６年３月　仙台市教育委員会「辻標」

竹屋横丁(たけやよこちょう)

　南材木町と南石切町を結ぶ横丁で、かつて竹屋があったことに因む。
　竹は、弓矢、旗竿をはじめ、建築用材や日用雑器などにも幅広く用いられるため特別の保護育成がなされ、他領への移出も禁じられた。
　集荷供給は専ら竹屋に扱わせ、公用の竹は村々の御竹藪を設けて、採取を竹屋に行わせていた。　　
　文参照：平成６年３月　仙台市教育委員会「辻標」

舟丁(ふなちょう)

　御舟衆(乗船)が住居したことにその名が由来する。
　城下外であった頃から水運を利した交通の要地で、広瀬川・名取川を通じて火光の閖上から米・材木などが当地まで運ばれていた。
　また対岸長町方向への連絡は、河原町の長町渡しができる以前は、当町南と根岸村を結ぶ宮沢渡が利用され、城下に入る玄関口でもあった。
　文参照：平成６年３月　仙台市教育委員会「辻標」

堰場(どうば)

　宮沢渡の渡場に望む広瀬川の地。
　広瀬川の流れを堰き止めて用水と水運に利用した六郷堀とに囲まれた所なので、その名ができ。
　両堀は四谷堰とともに仙台の三堰と称された。
　近くには若林米蔵・若林材木蔵が置かれ、このうち城下近郊の租米収納する米蔵の警備には、三町足軽の一つ郡山村の諏訪足軽が当たった。
　文参照：平成６年３月　仙台市教育委員会「辻標」

河原町(かわらまち)

　往昔、広瀬川の氾濫で形成された川原地帯で河原町とも書く。
　渡し場をはさんで城下と在郷の境に位置し、城下・在郷から移住した商人や百姓が定着、寛文期に橋ができると長町宿とともに町は繁栄した。
　藩政初期創設といわれる青果市場の廃止、道路交通の発達に伴って町の性格も変わった。
　文参照：平成６年３月　仙台市教育委員会「辻標」

河原町横丁(かわらまちよこちょう)

　寛永末期河原町から若林城を結ぶ道の西端としてできた横丁寛文の地図には河原町から東へ向ける道として記載され、古くはその南側が広瀬川のかわら地と桃畑であった。
　明治十二年には若林城趾に宮城集治監(現刑務所)ができ昭和に入って行人塚駅や仙台味噌工場が新設され、町並みも東へ延びた。
　文参照：平成６年３月　仙台市教育委員会「辻標」

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